戸令08 老残条

現代語訳「養老令」全三十編:第八編 戸令 全45条

○08 老残条(老残の条)


《原文》
凡老残。並為次丁。


《意訳》
老丁と、正丁の世代の残疾は、いずれも「次丁〔じてい/しちょう〕」とする。


本
この条は、課役の減免を受ける次丁について規定したものです。

律令支配下の人々が課せられた税を「課役〔かやく〕」といいます。
課役には、米を納める「租」、地方特産物を納める「調」、そして労働力としての「徭役〔ようえき〕」がありました。
徭役には、地元地方における労役である「雑徭〔ぞうよう〕」と、中央へ上京しての労役である「歳役〔さいやく〕」とがありましたが、この歳役を繊維類や米・塩などの物品で代納したのが「庸」です。
したがって、課役とは、租庸調と雑徭のことです。

雑徭は、国司の命令で行われます。現代における県の事業クラスの大規模な肉体労働です。
歳役は、都での年に10日の肉体労働。当然ながら延長もあり、その場合は他の課役が減免されることになっています。
この辺りの具体的な内容は賦役令〔ふやくりょう〕に規定されています。

課役徴収の対象としての「丁〔てい/よほろ〕は、正丁〔せいてい〕と次丁〔じてい/しちょう〕に分けられます。
こちらも具体的な内容は賦役令〔ふやくりょう〕に規定されていますが、つまるところ、次丁の庸調の負担は正丁の半分になります。また、残疾の場合は徭役を免除されるため、その代納である庸も免除されます。

丁の付く語としてはこれより前の条文に「白丁〔はくてい〕」が出てきました。また、書物等で「少丁〔しょうてい〕」という語も目にすることがありますよね。
白丁は位階を持たない「良民」のこと。
少丁は、「戸令06 三歳以下条」に定められた「中男」の世代のことです。中男の世代呼称は、大宝律令では少丁と定められていたのです。
他にも丁の付く語がいろいろありますが、いずれも下働き的な労働力としての男性として捉えればいいかと思います。


posted 2010-09-15 20:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | カテゴリ:08:養老:戸令 現代語訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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