戸令11 給侍条

現代語訳「養老令」全三十編:第八編 戸令 全45条

○11 給侍条(給侍の条)


《原文》
凡年八十及篤疾。給侍一人。九十二人。百歳五人。皆先尽子孫。若无子孫。聴取近親。無近親。外取白丁。若欲取同家中男者。並聴。郡領以下官人。数加巡察。若供侍不如法者。随便推決。其篤疾十歳以下。有二等以上親者。並不給侍。


《意訳》
80歳以上の高齢者、及び、篤疾〔とくしつ〕には、侍〔じ〕を1人給付する。90歳には2人、100歳には5人。皆、子孫を優先的に充てること。もし子孫がいない場合には、近親者から採ることを許す。近親者がいない場合には、外から白丁〔はくてい〕を採ること。いずれにおいても、もし同家の中男を採りたいと希望する場合、許可すること。郡領以下の官人は、こまめに巡察すること。もし侍の供給が法に則っていない場合は、事情に応じて推決すること。10歳以下の篤疾は、二等以内の近親者がいる場合、侍を給付しない。


本
この条は、高齢者および重度障害者に充てる介護者を定めたものです。
この介護者を「侍丁〔じちょう/じてい〕」といいます。字面だけ見ると警護のお侍みたい。

原則的には家族介護で、子、孫、その他身内の中から、21歳〜60歳までの働き盛りの男性(丁男〔ていなん/ちょうなん〕とか正丁〔せいてい/しょうちょう〕といいます)が充てられ、当事者の希望により、17歳〜20歳までの中男が充てられることもあります。白丁とは、無位の正丁のことです。

賦役令〔ふやくりょう〕の「舎人史生条」の規定により、正丁に義務づけられている課役のうち、侍丁は「徭役〔ようえき〕」を免除されます。したがって、租と調だけが課されることになります。

郡領以下の官人とは、郡司(現代の市役所に相当?)のトップクラスの役人をいいます。ここでは、長官、次官、および、郡のナンバー3の職である主政までを指したようです。
郡司の職員構成は職員令〔しきいんりょう〕の「大郡条」以下に規定されています。


posted 2010-09-21 18:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | カテゴリ:08:養老:戸令 現代語訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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