○22 戸籍条(戸籍の条)
《原文》
凡戸籍。恒留五比。其遠年者。依次除。{近江大津宮庚午年籍。不除。}
《意訳》
戸籍は、常に5回分(=30年分)を保管すること。遠年のものは次のものを作成し次第、廃棄すること。{近江の大津の宮の庚午の年の籍は廃棄しない}。
この条は、戸籍の保管期間を定めたものです。
近江の大津の宮の庚午の年の籍というのは、天智天皇の頃に作られた庚午年籍〔こうごねんじゃく〕のことです。現代の日本では紀年法として、年号(元号)もしくは西暦を用いますが、古代日本には十干十二支の干支を用いる方法もありました。いまでも占いの世界等では使われているんでしょうかね?
庚午年籍が特別に永久保存とされた理由については、庚午年籍は律令制下の戸籍とは異なり、それ以前の氏姓制度・部民制〔べみんせい〕といった、
族制的要素を強く含んでいたので、氏姓をはじめ身分の帰属等について参考となるところが多かったからであろう。(例、和銅六年五月紀・延暦元年十二月紀)。
と、日本思想体系「律令」の補注にあります。
廃棄された戸籍は反古紙として裏面を写経等に再利用されたために、いわゆる紙背文書として残り、今日、それらの戸籍を確認することができるんですね。



