○25 嫁女条(嫁女の条)
《原文》
凡嫁女。皆先由祖父母。父母。伯叔父姑。兄弟。外祖父母。次及舅従母。従父兄弟。若舅従母。従父兄弟。不同居共財。及無此親者。並任女所欲。為婚主。
《意訳》
娘が嫁ぐにあたっては、皆、先ず、祖父母、父母、伯叔父姑(父方のおじ・おば)、兄弟、外祖父母(母方の祖父母)に報告すること。次に、舅〔きゅう〕(母方のおじ)・従母〔じゅも〕(母方のおば)、従父兄弟(いとこ)に知らせること。もし同居共財している親族や上記の親族がいない場合は、いずれも娘の希望にしたがって、婚主(婚儀をつかさどる人)とすること。
この条は、婚儀をつかさどる親族について規定したものです。
「婚主(主婚)」とは婚儀をつかさどる人のことです。葬儀における「喪主」に相当する立場ですかね。
詳しくないのですが、日本の律令が手本とした中国では、結婚の際、両家から「主婚」が立って婚姻契約を結ぶ建前となっており、したがって、唐令におけるこれに相当する条文はしっかりと残っていないものの、婚主となる優先順位を規定したものであった可能性があるようです。
対して当時のわが国では、まず男女の合意があった後、女性の親が承認することで婚姻契約が結ばれました。そのためか、わが国では報告義務にとどまっています。わが国では妻と比較した妾の立場がさほど低くないのも、こうした婚儀の厳粛さの違いからでしょうか。
母方のおばは「姨〔い〕」といいますが、この条文では「従母」と表記されています。令文における親族の表記は、あまり統一されておらず、曖昧なように感じます。



